「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング」を読んでみた
こんばんは。
新しいことを「誰か」に説明したときに、分かってもらえないことってありますよね。
「誰か」:顧客、上司、同僚、同級生、友達、家族、その他など (オーディエンスとして紹介されている)
説明してもフィードバックがないとか、やってみたものの相手は言われたからやっている(やらされている)、、みたいな状況もあります。経験者です.. orz
で、どうしたらいいかなぁ〜?? って思っているときに、DevLoveのイベントに気になるセッションを発見!!
「マーケットという大空を飛ぶためにユーザーストーリーという地図を携えて」
このセッションで紹介された本が「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング」でした。
ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -
- 作者: Whitney Quesenbery,Kevin Brooks,UX TOKYO
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2011/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んでみて
本書は16章で構成され、それぞれにストーリーが紹介されています。
各章にストーリーが掲載されていて、とても読みやすい本でした。
この本を読んだら簡単に「良いストーリー」を話せる/作れるようになるわけではありませんが、、
私の場合は、FAQに記載されている以下の質問の回答が欲しかった感じです。
- 私はストーリーをうまく話せないのですが、どうすればいいでしょうか?
- どうすればストーリーを作ることができるのでしょうか?
- どのくらいオーディエンスのことを考えるべきでしょうか?
各質問に、詳細は〇章をご覧ください。とあったので、ちぐはぐに読んでしまいましたが、
最終的には、1章から再読しました。
読んでみて思ったのは、ストーリーの構成って何パターンもあるのに対して、自分が話す場合は決まったパターンで話すことが多いと気づきました。
特に仕事で話をするときは、要点や結果を最初に話すってのが癖なのか習慣なのか、、常にその話し方になりがちだなって思います。
(要点や結果から話すように教えられた気もする、、
「言葉」には"含み"があって、だからこそ、発想を刺激したり想像力をかき立てることもできるわけなんですね。
逆に、共通の理解を生み出す場合には、言葉が含んでいる意味(ディテール)をきちんと説明しないと、分かっている気にさせてしまうことも。。
後になって、共通の理解に至っていなかったってこともありますよね。
私にとっては、多くの気づきを得れる事と、これまでの自分のストーリーがオーディエンスにとって
どんなだったのかを振り返るにはとてもよい機会でした。
あなたが話を聞いて経験を理解できるまで、私が何について話しているかわからないでしょう。 そこには、最終的にあなたが頭の中でその人を思い浮かべることができるストーリーがないといけません。 そのときまで、あなたは何も知らないし、誤った方法で与えられた情報に対処しなければならないのです。 ―イラ・グラス「This American Life」の談話より
Q.私はストーリーをうまく話せないのですが、どうすればいいでしょうか?
A. あなたはストーリーを上手に語っていないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。問題の全体像を説明したり、 出来事を説明するために多くの人がストーリーを話しています。 本書の目的は、新しい方法でストーリーを使えるようになることです。私たちも、本書に登場する様々なストーリがあなたにヒラメキを与えてくれるとこを望んできます。 あなたのストーリーテリングは、プロジェクトの全体的な底上げにつながるでしょう。詳しくは第二章をご覧ください。
ということで第二章から読み始めました。
- CHAPTER2 - UXストーリーの効果
本書では、話下手の多くの考えを以下のように説明しています。
「ストーリーを話すことをブロードキャストの一種として捉えている人がいます。」 「〜 ある一人の人から別の人々に伝送されてるものと捉えられています。」 「〜 ストーリーを話すことは、一方的に広めることだと捉えています。」
簡単に言えば一方通行ってことですね。一方通行(リアクションがない)ってことはストーリーとして成立していないとも記述がありました。
一方的に広めることなんて捉えてもいないし、ブロードキャストとも思っていません。
ただ、結果的に一方的になってしまうことはあって、、本当はフィードバックが欲しいのに ( ´Д⊂ヽ
そのためには、まず、UXデザインにおけるストーリーの役割を知る。
-
- ストーリーは説明します。
- ストーリーは想像力をかき立てます。
- ストーリーは新しいアイデア発送を刺激します。
- ストーリーは共通の理解を生み出します。
- ストーリーは説得します。
この章を読んでみて考え直す必要があったのは、ストーリーによってオーディエンスの想像力を膨らませる。(オーディエンスに気づきを与える)
そして、オーディエンス自身がギャップを補完して完全なイメージを作り上げることで、ストーリーを完結させる。(オーディエンスがストーリーを作る)
話したことを共有するだけではフィードバックは生まれないんですね。目的は、共通の理解と説得になるけど、そこでフィードバックが得れれば、
もっと楽しい方向に進むと思ってます。
Q.どうすればよいストーリーを作ることができるのでしょうか?
A. ストーリーを作ることは難しいことではありません。最初はぎこちなくても、次第に慣れてくるものです。 あなたの作るストーリーも、実践を重ねることで良くなっていくでしょう。ストーリーテリングはアートに匹敵する技能です。 オーディエンスを理解することから始めることができれば、キャラクターや全体像、コンテクスト、イメージをある構造に基づいて 組み立てられるようになるはずです。詳しくは11〜15章をご覧ください。
- CHAPTER11 - ストーリーをクラフトする
- CHAPTER12 - オーディレンスに配慮する
- CHAPTER13 - ストーリーの構成要素を組み合わせる
- CHAPTER14 - 構造とプロットを作る
- CHAPTER15 - ストーリーの伝え方
ストーリーテリングの基本構成は、「ストーリーテラー」と「ストーリー」と「オーディエンス」になります。
いたってシンプルな構成ですが、ストーリーに関してはオーディエンスの変化に伴って、伝え方も変える必要がありますよね。
また、最終的なゴールは同じであっても、オーディエンスに依存してしまうのがストーリーなんだと思います。
それは、オーディエンスが興味を持って拝聴してくれる場合と、ただ参加している場合とで同じストーリーでも
ストーリーとして成立しない可能性もあるからです。(伝えるだけで終わってしまう場合
この章を読むことで、ストーリーの解析をできるようになります。なので、多くのストーリーを聞いて、解析して、
より良いストーリーを作っていけるようになりたいですね。
「呼ばれたから来た」という方々にも伝わるようなストーリーも作れるはずだと思います。
Q.どのくらいオーディエンスのことを考えるべきでしょうか?
A.オーディエンス(聞き手)のことを理解するのは非常に重要です。いくら事前にきちんと計画を建てようが、 その場でいそいで調整しようが、オーディエンスを巻き込めなければ、良いストーリーも語れません。結局、 ストーリーのゴールは伝えることではなく、オーディエンスに聞いてもらい、彼らに何か新しいことを持ち帰ってもらうことなのです。 この点については、3、10、12章をご覧ください。
- CHAPTER3 - ストーリーは聞くこと、そして観察することから始まる
- CHAPTER10 - ストーリーを共有する
- CHAPTER12 - オーディレンスに配慮する
これが一番、大変なことなのかもしれない、、
話を聴きながら気づいたことがあると、ついつい口に出してしまう性分なのですよ。
リアリーリスニングやアクティブリスニングについては、試す機会も多いので、今後、試していってなんとかするしかありませんね。
自分とオーディエンスの目的とのギャップを埋めるストーリーが見つけることが、相互に気づきを得るチャンスに
つながるのだと思います。